定義

自身のエルミート転置が可換となる複素正方行列 $A$ を 正規行列 という。

\[A^* A = A A^*\]

($A$ が実行列の場合は $A^TA = AA^T$ )

特殊ケース

性質

ユニタリー行列を用いた対角化

【定理】

$n$ 次正方行列 $A$ が正規行列であるとき、$U^*AU$ により $A$ を対角化できるようなユニタリー行列 $U$ が存在する。逆も成り立つ。

【証明】

  • $P$:$A$ が正規行列である
  • $Q$:$U^*AU$ により $A$ を対角化できるようなユニタリー行列 $U$ が存在する

とする。

【$P \Longrightarrow Q$ の証明】

(略)

【$Q \Longrightarrow P$ の証明】

$A$ を $U$ で対角化した行列を $\Lambda$ とする:

\[\Lambda := U^* A U = \begin{pmatrix} \lambda_1 & & O \\ & \ddots & \\ O & & \lambda_n \end{pmatrix}\]

両辺に左から $U$、右から $U^$ をかけると、ユニタリー行列の性質 $U^ U = UU^* = I$ より、

\[U\Lambda U^* = A\]

この式から $A^*$ を計算すると、

\[A^* = (U\Lambda U^*)^* = (U^*)^* \Lambda^* U^* = U \Lambda^* U^*\]

よって、

\[A^* A = (U \Lambda^* U^*)(U\Lambda U^*) = U \Lambda^* \Lambda U^*\] \[A A^* = (U \Lambda U^*)(U\Lambda^* U^*) = U \Lambda \Lambda^* U^*\]

ここで、

\[\Lambda = \begin{pmatrix} \lambda_1 & & O \\ & \ddots & \\ O & & \lambda_n \end{pmatrix} ,\qquad \Lambda^* = \begin{pmatrix} \lambda_1^* & & O \\ & \ddots & \\ O & & \lambda_n^* \end{pmatrix}\]

であるから、

\[\Lambda^* \Lambda = \Lambda \Lambda^* = \begin{pmatrix} |\lambda_1|^2 & & O \\ & \ddots & \\ O & & |\lambda_n|^2 \end{pmatrix}\]

以上により、

\[A^* A = U \Lambda^* \Lambda U^* = U \Lambda \Lambda^* U^* = A A^*\]